■漢文解読講座

返読文字

 漢文は元は中国語なので、日本語とは文法的な違いがあります。日本語として読むためには、文字の順番通りに読むと意味が通じないことが出てきてしまうのです。
 実例を出すと、「吾愛君」をそのまま読むと「吾、愛す、君」となって日本語として意味が通じません。漢文は文法的には英語とよく似ています。日本語の場合の、動詞と目的語が逆の位置に配置されているのです。

 中学校から学んでいる英語の場合を例に出してみてみましょう。
先ほどの漢文を英語にすると

    I love you.

・・・となりますが、これを直訳すると「私はあなたを愛している」になります。でも、単語の順に意味を訳してしまうと「私は、愛している、あなたを」になってしまうのです。同じように、漢文の場合も動詞である「愛」と目的語の「君」をひっくり返して読みますと日本語としてスムースな流れとなって意味もとりやすくなるのです。このような文字のことを一般に「返読文字」と言います。そしてそれらは殆どの場合、動詞です。

 このような返読文字のある場所では、日本語として意味を分かりやすいように読むための記号をつけるようにしてあります。上から読んできた流れが逆に戻るイメージから、カタカナの「レ」を書いて記号として使用しています。つまり、この記号のある一つ上の文字は通り越して、その一つ下の文字から逆戻りして上に返って読むことになります。これを「レ点」(れてん)と言います。

 このような記号は他にもあって「返り点」と呼びますが、別項目としてまとめておきます。(→)
ここでは、返読する文字があるということを知っておいて下さい。その文字があることを示している目印の記号が「返り点」です。この記号が無いと読めないというのでは困りますので、全く同一のものとして覚えないようにしましょう。あくまでも「返り点」は返読文字があることを示す目印に過ぎないのです。

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